朝起たら、大好きなペットが亡くなっていた。
大人になると、なかなか素直に愛情を伝える事がなくなる。
でも、子供はとても素直。
良いことも、悪いことも、疑う事なく いつでも真っ直ぐ。
その気持ちって、すごく大切な事なのに、やっぱり大人になると忘れちゃう。
今回の絵本は、愛情を伝える事の大切さを教えてくれる、
犬のエルフィーと少年のお話です。
【ずーっと ずっと だいすきだよ】
あらすじ
子犬のエルフィーと、小さな少年は、どんな時も二人一緒に過ごしてきました。
そして、二人は一緒に大きくなります。
でも、犬のエルフィーの方が、ずっと早く大人になります。
少年は、エルフィーの あったかい お腹を枕にして寝るのが大好きでした。
そして、少年と同じように、少年の家族も皆んなエルフィーの事が大好きでした。
でも、家族のみんなはエルフィーに「すき」と言いませんでした。
言わなくても伝わってると思っていたんです。
いつしか時がたち、エルフィーは歳をとって寝ている事が多くなります。
エルフィーのお腹を枕にしていた少年は、今度は柔らかい枕を毎日エルフィーにやります。
そして、必ず寝る前に
「エルフィー、ずーっと、大好きだよ」と言ってからエルフィーと一緒に寝るようにしていました。
ある朝、目を覚ますと、エルフィーは死んでいました。
家族は皆んな泣いて悲しみました。
少年も悲しくてたまらなかったけど、みんなより少し気持ちがラクでした。
なぜなら、毎日エルフィーに「ずーっと大好きだよ」と伝えていたからです。
私は、この絵本を本屋さんで試し読みした時、途中までしか読んでないのにウルウルしてしまい、最後まで読んだら泣いてしまうと思ったので、ちょっと目頭が落ち着いてからレジに行きました。
そして、家で何度も読みました。
読めば読むほど、大人にとっても、子供にとっても、とても大切な事を教えてくれる絵本だと思いました。
人でも動物でも、ちゃんと言葉にして思いを伝える。
本当は簡単な事なのに、何故か大人になると、それが難しくなったり、恥ずかしくなったり。
言わなくても分かってくれてるはず、伝わってるはず。
毎日一緒だと、あたりまえの事が、実は あたりまえじゃない事を忘れてしまう。
そんな大切な事を気づかせてくれる絵本でした。
私の話になりますが、
私は小さな頃に猫を飼っていました。
名前はぴーちゃん
ぴーちゃんは23年生きてくれました。
私が両親に怒られると、私の両親を威嚇して私を守ってくれる勇敢な猫です。
小学3生の時に家に来たぴーちゃんは、私が大人になって東京に上京しても元気でした。
でも、やっぱり歳には勝てず、両親から「もうダメかもしれない」と連絡が来ました。
私はすぐ実家に帰りました。
両親からは「もう一人で立つことも出来ない」と言われていたので、
実家に帰ったら、介助は全部私がやろうと思ってました。
でも、家に帰って急いでリビングに行くと、
ぴーちゃんは、前足をピンっと揃えて、前足だけで何とか立ち上がって私を待っていてくれたんです。
私の「ただいま」の声を聞いて、一生懸命私を待っていてくれました。
一生懸命力を入れた前足は、力を抜くことも出来なくなってました。
足にの力を抜くことも、実はとても力がいることなんですね。
私は、急いでかけよって、
「ぴーちゃん、ありがとう、たくさん待たせちゃったね、待っててくれてありがとう、帰ってきたよ」
と伝えました。
そして、ぴーちゃんのピンっと力をこめた前足をそっと握って、ゆっくり体を横にしました。
その日にぴーちゃんは死んでしまいました。
動物の死、大切な家族の死。
私は大人になってから経験しました。
子供の時には中々経験出来ない事ですが、
この絵本を通じて、大切な人や動物にありったけの愛を伝える大切さ。
言葉にする事の大切さ。
そして、どうしてもやってくる死に後悔しないように向き合う大切さを、伝えられる絵本だと思いました。
毎日、大好きと言われたエルフィーは亡くなってしまったけど、きっと幸せだったろうなぁと思います。